ハーバード・ビジネス・レビュー 2025年1月号を読んでみた

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こんにちは。
今回のブログは久しぶりのブックレビュー記事です。

ハーバード・ビジネス・レビュー 2025年 1月号に、AI(人工知能)に関する特集記事がありましたので、読んでみたという経緯です。

このビジネス雑誌は企業経営者や役員クラス、上級管理職向けの内容ですので、エンジニア向けではありません。しかし、経営者の方が今、AIをはじめとしたテクノロジーとどう向き合い、活用していくべきなのかがわかりやすく解説されていますので、私のようにIT分野のエンジニアの方が読んでも非常に参考になる提言がありました。

私はこの分野の専門家ではありませんが、せっかくなので、「経営者は今、IT部門(ITエンジニア)に何を期待しているのか?」という視点で読書感想文を書いてみたいと思います。

目次

特集|経営課題としてのテクノロジー
●[インタビュー] 機械学習の第一人者が語る
私たちは技術の進歩をどう捉え、どのような社会を構築すべきか
オックスフォード大学 教授 マイケル・オズボーン

●非テクノロジー企業の成功事例に学ぶ
企業が新たな技術に向き合う時、取締役会が果たすべき役割
ハーバード・ビジネス・スクール 教授 タルン・カナ
ユタ大学 ハンツマンがん研究所 CEO メアリー C.ベッカーリー
元 プロクター・アンド・ギャンブル シニアバイスプレジデント ナビル Y.サッカブ

●技術のエキスパートだけに頼らない
リーダーがAI導入プロジェクトを成功させるために必要なこと
ノースイースタン大学 教授 デイビッド・ド・クレマー

●最大のアウトプットを引き出すために
生成AIとの協働を実現する3つのスキル
アクセンチュア グローバル・マネジング・ディレクター H.ジェームズ・ウィルソン
アクセンチュア シニア・テクノロジー・アドバイザー ポール R.ドーアティ

生成AIを業務に使う時に必要な前提知識

  • これまでの技術と異なり、生成AIは人間の本質である「思考力」に非常に近い部分を得意とする。
  • しかし、今技術では大量の学習データを必要とするため、インターネット全体の広大な領域で学習する必要がある。
  • ゆえに、学習するデータセットを高品質なソースに限定すれば、学習不足に陥る。
  • 結果、生成AIから得られる結果は平均に向かっていく傾向が強い。
  • 生成AIはこれまでの業務の一部を代替することで、従業員の仕事を奪っていく側面はあるものの、これまでは不可能だったこともできる可能性を秘めている。
  • AIが新しいビジネスのアイディアを創出してくれると期待してはいけない。AIが提示するアイディアは、すでに持っているデータセットの中に存在しているはずである。

生成AIを使うリスクや障壁

  • ハルシネーション(AIが事実に基づかない情報を生成してしまう現象)を起こす可能性がある。
  • 簡単な作業やタスクをAIが代替し、従業員には精神的負荷がかかる仕事のみが残ってしまった場合、売上や利益だけでなく、従業員のウェルビーイングに悪影響を及ぼす。
  • AIの利用を定めた規定が不在の場合による情報漏洩のリスクがある。
  • AI導入・活用を先送りすることによる競争力の低下につながる。

デジタルの専門職として今後期待されること

企業全体で(経営者、管理職、デジタル部門、現場部門の従業員)AIの活用を推進していくための組織作りに立場を超えて協力・貢献していく組織風土づくりが大切であると本書では指摘されています。

  • 経営者や管理職と協力し、現行の業務でAIを活用することで、効率化・生産性が向上する分野を見つけ出す。
  • 経営層が策定した経営計画に基づいて、テクノロジーで貢献できる分野を探し出し、積極的に提言していく。
  • AI導入によって、情報漏洩リスクや誤った判断が発生しないように社内規定やルールを定めることに協力する。
  • 検索拡張生成(RAG)を用いて、信頼できるナレッジベースから得た高品質な情報を生成AIに訓練用データとして追加し、精度を高めていく。

まとめ

この雑誌のレポートを読んだ感想として、汎用的な生成AIを企業内部で本格的に活用するためには、そのまま使えるというわけではなく、その企業で適切なカスタマイズやチューニングの必要性を改めて感じました。
この分野に関しては専門家ではありませんが、来るべきAI本格活用の時代に活躍できるように常にアンテナを張って勉強したいと思いました。

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